Research

反応有機化学研究室では、環境調和を志向した反応開発として、ハロゲン元素を巧みに利用する分子変換法の開発と触媒として機能する有機分子の設計の研究に取り組んでいます。現在は、以下に示すテーマを中心に研究を行っております。

1)ハロゲン化物イオンを利用した酸化的分子変換法

2)アミンーヨウ素結合型超原子価ヨウ素化合物の創製

3)新規有機触媒の創製

4)含ヨードアミノ酸およびペプチドの創製

 

ハロゲン物イオンを利用した酸化的分子変換法

ハロゲン化物イオンは、アルカリ金属やアルカリ土類金属の塩として地球上に多く存在します。特にアルカリ金属塩は無毒で安定な化合物です。一方、ハロゲン化物イオンの酸化は海洋植物の中に存在する酵素による生合成過程の一つです。私たちは、このアルカリ金属ハロゲン化物を酸化させる事により、有機ハロゲン化剤代用型反応や重金属代用型反応等の様々な分子変換法を達成しました。最近では、このハロゲン化物イオンの酸化を利用した連続的分子変換反応へと展開することに成功しました。

 

 

アミン-ヨウ素結合型超原子価ヨウ素化合物の創製

超原子価ヨウ素化合物は重金属代用型試薬として注目を集めております。これまでの超原子価ヨウ素化合物のほとんどが酸素ーヨウ素結合型超原子価ヨウ素化合物でした。私たちは、窒素ーヨウ素結合型超原子価ヨウ素に着目し、新規アミンーヨウ素結合型超原子価ヨウ素化合物の合成に成功しました。この超原子価ヨウ素化合物を利用した様々な直截的アミノ化反応を達成しました。また、アミノ基を有するアニリン型超原子価ヨウ素化合物を創製し、この化合物を用いた炭素ー水素結合活性化による直截的分子内環化反応を達成しました。

 

新規有機触媒の創製

有機触媒は環境調和型触媒として注目を集めております。しかしながら、有機分子のみで構成されている有機触媒は金属触媒と比べ汎用性が低いです。私たちは、有機分子の構造的な柔軟性と弱い相互作用によるネットワークを活かした新規有機触媒の創製研究に挑んでいます。最近では、分子内水素結合相互作用を活かした強力なカルボン酸触媒、ペプチド触媒、光学活性アミン触媒、および酸化還元型有機触媒等様々な有機触媒の開発に成功しました。

 

含ヨウ素アミノ酸およびペプチドの創製

ハロゲン元素の特有の性質の一つとして、非共有結合性のハロゲン結合を形成する事が知られています。特に、ヨウ素は強いハロゲン結合により、ルイス塩基と相互作用します。この特性をアミノ酸に組み込んだ含ヨウ素アミノ酸を創製し、中分子有機材料となるペプチド創製研究に挑戦しています。この含ヨウ素ペプチドから医薬品や有機材料へと展開することを目指しています。